<海外研修生インタビュー>日立ハイテクメキシコ会社(後編)
日立ハイテクメキシコ会社へ2024年4月から研修生として派遣されている野崎航大さん(2020年入社 グローバルサプライチェーンソリューション部)にインタビュー。後編ではメキシコでのプライベートな時間の過ごし方やこれからの目標について伺っています。
――長期間の海外生活の中でモチベーションを保つ秘訣はありますか?
食べることと自分の限界に挑むことが好きなので、定期的に外食をしておいしい食事を楽しんだり、どんなに忙しくても基本的に毎日ジムへ行って自分を追い込み、昨日の自分を超えることを意識しています。
メキシコシティに来て、レストランの数の多さには驚きました。メキシカンはもちろんのこと、日本、韓国、中国、台湾、タイ、アルゼンチン、ブラジルなど、さまざまな国の料理が味わえます。そこで、現地の友人からオススメのお店を聞いたり、自分で足を運んで情報を集めたりして、Googleマップの「行ってみたい」リストにお店をピン留めしています。行ってみて気に入ったらそこをハートマークに変えています。これまでにリストに登録したお店の数が300ぐらいあるのですが、その全部をハートマークにすることが帰任までの目標の一つです。
私のお気に入りのレストランは現地の雰囲気を感じることができるタコス屋さん「El Progreso」、友人が来たときは必ず連れていくシーフード料理「Campobaja」、日本とほぼ同じ味のラーメンを食べることができる「Jametaro Comida Japonesa」、そのほか日本料理の「Mog Bistro」やアルゼンチン料理「Quebracho」などです。
――プライベートタイムはどう過ごしていますか?
週末はスペイン語の練習も兼ねて現地の友人と遊ぶなど、基本的にアクティブに過ごすように心がけています。友人とはメキシコリーグのサッカー観戦をしたり、タコス屋を巡ったり、tequilaの飲み歩きをしたりしています。メキシコ人はお酒に強い人が多く、お酒はtequilaが主流です。所感ですが、お酒があまり強くないと言っているメキシコ人ほどお酒が強く、たくさんテキーラを飲みますので、メキシコ人と飲む機会がある際はお気をつけください(笑)
また、最近はVintage Shop巡りにハマっており、Made in MexicoやMade in USなどの掘り出し物がないか、よくお店にチェックしにいきます。この他にも、メキシコシティ中心部の「Reforma(レフォルマ)」という大通りでは、毎週日曜日の午前中は自転車・歩行者専用になるので、その時間に1時間ほどランニングを行っています。日本と比べて酸素が薄くて苦しいのですが、苦しい時こそ先週の自分を超えることを意識しながら、自分を追い込んでおります。
ショートトリップでは、先日家族がメキシコに遊びに来た際に一緒にカンクンに行きました。下記写真はカンクンで撮影したものですが、透き通ったカリブ海を見ながらビーチでのんびり過ごす時間はとても有意義で、カンクンがバカンスやハネムーンには最適な地であることを再認識しました。
メキシコシティ近郊の有名な観光地、「Teotihuacan(テオティワカン)」にもよく行きます。古代都市の遺跡でピラミッドなどがあり、紀元前2~6世紀に繁栄したアステカ文明について知ることができる貴重な世界遺産ですばらしい場所です。うれしいことにメキシコは日本からの直行便があることから、たくさんの出張者や友人、そして家族もメキシコに来ており、彼らのアテンドも兼ねてTeotihuacanへはすでに8回行きました。ちなみに現地の人の多くは人生で1、2回しか行かないそうです。ここまできたら研修が終わる3月末までにあと2回行き、計10回行くことを目標にしております!
メキシコ外への旅行は、赴任以来ずっと慌ただしくてまだかなっていません。少し余裕のできる1月以降に、有休を使って中南米を巡る計画を立てています。ペルーのマチュピチュ遺跡を訪れる、チリでワインを飲む、アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジルなどサッカーが有名な国も巡る予定です。よい機会なのでサンパウロにある日立ハイテクブラジルも訪問してみたいと思っています。
――ここまでのメキシコ生活を経て自分自身の変化は感じますか?
良い意味で「怒る」ことに対しての価値観が変わったと思います。メキシコは日本のようにインフラが整っておらず、不便を感じることや、日本との国民性の違いに驚かされることも多くあります。例えば、メキシコでは修理業者などがアポイント通りに来ることはほぼあり得ません。また、料理のオーダーが通っていないこと、席の予約が漏れていたこと、列を勝手に抜かしてくることなど、日本ではあまり起きない現象が日常茶飯事で起きます。そうした経験を重ねるうちに小さいことにイライラしても仕方がないと思うようになりました。
一方で、理不尽な扱いを受けて怒ることが必要なシーンも日本より多くあります。単に怒るというよりは、ダメなことはダメと言うことや、自分の考え、自分の感情をしっかり言葉に乗せて伝えるということが大切で、それによって相手も動いてくれます。寛容性と自己主張、この2つをしっかり持ちつつバランスをとること、使い分けることが大切だと思うようになりました。
――研修期間の折り返し地点を過ぎて思うこと、今後の目標などを教えてください
仕事での目標は、取引先の新規開拓と顧客課題の解決です。商談を始めているところもありますので、残りの任期中に信頼関係を築いて立ち上げまでこぎつけることをめざしています。自分のスキルという面では、この機会を生かしてスペイン語をしっかり学んで習得し、将来は「英語/スペイン語人財」としてグローバルに活躍することをめざします。
プライベート面では、あのとき旅行しておけばよかった、と後悔しないように、できるかぎり南米を旅行して現地の人と交流し、任期の最後まで楽しみたいと思っています。
――海外研修を検討している方へ伝えたいことはありますか?
私は大学時代、アメリカのシアトルに約6カ月間の短期留学をした経験があります。今回も1年間の海外研修ということで、その留学の経験が生かせると思っていたのですが、英語学習を目的とした留学と、ビジネスを学ぶ海外研修はまったく異なるものであることを実感しています。学校とビジネスの現場では使う単語も異なれば、お客さまや同僚といった周囲の人とのコミュニケーションの取り方もまったく異なりますから、日々、多くのことを学んでいます。
常日頃、指導員から「自分が思ったこと、伝えたいことを英語で、日本語と同じレベルで伝えられるようになれ」と言われていますが、企業や社会に貢献できるグローバル人財となるためには、少なくとも世界共通言語である英語は母国語と同じレベルに達する必要があると、この海外研修を通して強く感じました。
海外研修というすばらしい制度を、私自身は英語・スペイン語の習得と海外のビジネスの現場を知る機会として活用すべく、残りの期間を大切に過ごしたいと思います。皆さんもぜひ、夢の実現やキャリア形成に役立ててください。
【日立ハイテクメキシコ会社】
2014年設立の日立ハイテクメキシコ会社は、日立ハイテクアメリカグループの一員として、中米地域におけるサプライチェーンやトレーディングビジネスをメインに行っています。2024年10月末で10周年を迎え、中米地域における鉱業、自動車、製薬製造などの分野で新たなビジネスの可能性に挑戦しています。
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