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社会貢献セミナー「おいしいチョコレートの真実を知る! カカオ生産地での児童労働をなくすために私たちができること」

サステナビリティ推進部では、2025年2月6日(木)に、東京ボランティア・市民活動センター(TVAC) のご協力のもと、認定NPO法人ACE(ACE)を講師にお招きし、体験型の社会貢献セミナーを対面とオンラインのハイブリットで開催しました。

ACEは、児童労働の約7割を占める農業分野に視点を当て、アジア及びアフリカで村人に教育の重要性や児童労働の危険性を気づいてもらう活動や、日本国内では、企業と協働して児童労働を生み出さないビジネスづくりへの取り組みを行っています。

みなさんでチョコっとクイズに挑戦!

今、世界では1億6000万人もの子どもが児童労働に従事しています。「児童労働」とは、子供の教育や健康的な成長を妨げる、法律で禁止されている子どもの労働のことです。国際条約の定義では、15歳未満(途上国は14歳未満)の義務教育を受けるべき年齢の子どもが教育を受けずに大人と同じように働くことと、18歳未満の危険で有害な労働を「児童労働(Child Labour)」と定義されています。

15歳未満でも家のお手伝いをしたり、15歳を過ぎて学校に通いながらアルバイトするなど子どもにとってプラスになる形で働くことは「子どもの仕事(Child Work)」であり児童労働にはあたりませんが、子どもたちが働く理由は国や地域、文化等により異なっており、そのことが問題解決を難しくしています。また、児童労働は、日本に住む私たちにも関係があります。

興味深く個人ワークに取り組みました

チョコレートの原料となるカカオ、衣服の原料に使われるコットン(綿)をはじめ、携帯電話などに使われるレアメタルやコーヒー、紅茶、サッカーボールなど、身近なモノの製造過程において、児童労働が多数報告されています。さらに、昨今のカカオの不作については気候変動の影響も潜んでいます。セミナーでは、児童労働の実態を学ぶとともに、クイズやカカオ生産地の映像を通して児童労働について理解を深めました。

オンライン参加者からの貴重なご意見もいただきました

最後に、カカオ産業の児童労働をなくすために私たちができる行動について、9つのアクションカードを使って、優先順位を考えランキングシートに落とし込んでいく個人ワークを行いました。

アクションカードA~Iの内容をご紹介いたします。 
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A: 図書館やインターネットなどで「児童労働」について調べたり、勉強したり、知識をつける。
B: 「児童労働」をなくすために活動している団体の講演会やイベントに参加する。
C: 「児童労働」をなくすために活動している団体を支援する(募金/ボランティア活動)。
D: 通常の値段より高くても、「児童労働」で作られていない「フェアトレード」のチョコレートを買う。
E:「児童労働がない」ことがわかる、フェアトレードなどのチョコレートを作って欲しいと企業に手紙を送る。
F:日本政府にもっと「児童労働」の解決に取り組んで欲しいと署名を進め、その声を日本政府に届ける。
G:新聞やテレビなどを通して「児童労働」の問題を多くの人に訴えかける。
H:カカオ産業の「児童労働」について、身近にいる人たちと話す。
I:自分のアイデア
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いずれも大切なアクションなので正解はありませんが、それぞれが自分が取り組めるアクションを真剣に考える機会となりました。会場にご参加いただいた社員のみなさまには、ガーナの支援になる様々なチョコレートを試食していただきました。

会場でいただいた試食のチョコレートたち

セミナーにご参加いただいた社員からは、「一見関連がなさそうな物事も別の物事と繫がっていることについて意識が深まりました。『つながり』と『その先』を意識して物と物、人と人をつなぐという観点で業務に取り組むことで超微力ですが社会貢献の一歩となればいいなと思います。」
「業務でコンプライアンス関係に携わっているため、一般的な知識はあるつもりでしたが、具体的な数字や事例を教えていただき、より現実の問題として意識するきっかけになりました。」
「児童労働の撲滅について、自身がなにをできるのか?という視点で考えを明確にするきっかけになりました。自身の消費行動につなげていく、商品の選択基準の一つにすることが撲滅につながる重要な行動と認識しました。今後もフェアトレード商品の購入、また児童労働や人権に関する意識・アクションをとっている企業の商品を優先的に購入していきたいと思います。」
「今後は原産国やその材料などを確認してから物品を購入するようになる気がする。安いものを買わないという選択肢はないが、製品の背景にあるものを把握し児童労働に関して真摯に対応したいと思った。」

など、セミナーを通して自身の業務へのつながりや日々のアクションについての感想や意見をいただきました。また、「バレンタインデーのタイミングで、チョコレートのデータについてすぐ子どもとシェアしました」
「児童労働の割合が10人に1人という数字にとても衝撃を受けました。帰宅後早速子供にもセミナーの話をしました。」
など、お子さんと情報を共有していただいいた声もありました。
 
サステナビリティ推進部では、今後も様々な社会課題をテーマとした体験型のセミナーを企画、開催してまいります。