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第15回化学遺産に835形高速アミノ酸分析計を認定

日本に現存する最古のアミノ酸分析計として、日立ハイテクサイエンス所蔵の835形高速アミノ酸分析計が、第15回化学遺産に認定されました。

化学遺産とは、公益社団法人日本化学会が、化学と化学技術に関する貴重な歴史資料の保存と利用を推進するために化学遺産委員会を設置し、認定を行っています。歴史資料の中でも特に貴重なものを認定することにより、文化遺産、産業遺産として次世代に伝え、化学に関する学術と教育の向上、化学工業の発展に資することを目的としいます。

表彰式

認定の対象となったアミノ酸分析計とは、溶液にした試料中に含まれるアミノ酸を成分ごとに定量分析する装置で、食品・医薬品の品質管理をはじめ、生化学研究や受託分析など幅広い分野で活用されています。

835形高速アミノ酸分析計(日立ハイテクサイエンス那珂事業所 所蔵)


化学遺産として認定された「835形高速アミノ酸分析計」は、1962年日立製作所那珂工場で国産初のKLA-2形アミノ酸分析計が開発され、高性能化の歴史が始まりました。当時はまだ一回の分析に丸一日(22時間)かかるような状況でしたが、1977年に発表された「835形」ではカラム充填剤の微粒子化が進められ、直径5μmのイオン交換樹脂を充填したカラムの搭載が可能となります。これにより飛躍的に高速化され、分析時間は50分間に短縮されました。今回、アミノ酸分析計の初期からHPLC機に至る技術の変遷を詳細に把握することができる貴重な装置として、認定されました。



【第17回化学遺産市民公開講座】
本年度化学遺産として認定された3件の紹介と、化学遺産事業のこれまでの経緯を紹介する市民公開講座では、日立ハイテクサイエンスより 伊藤正人(シニアリサーチエンジニア)が登壇いたします。
日時:2024年4月13日 (土)13:30 - 16:00
会場:ハイブリッド開催 現地会場:化学会館/オンライン:Zoom
お申し込みはこちら⇒ https://dai17-kagakuisan.peatix.com/


(関連サイト)
日立高速アミノ酸分析計開発のあゆみ