令和6年度全国発明表彰の「発明賞」を受賞
日立ハイテクは、日立製作所と共同開発した「正確で高感度な血液検査を実現する画像処理技術の発明」(特許第7011904号)について、令和6年度全国発明表彰(主催:公益社団法人発明協会)における「発明賞」を受賞し、表彰式が行われました。
発明表彰は、大正8年に科学技術の向上と産業発展に寄与することを目的に創設され、以来、多くの研究者・科学者の功績を顕彰しています。本発明表彰は、顕著な功績を上げた発明や考案、意匠、または将来的に大きな成果が期待される発明を表彰するものです。
今回、受賞をした発明は、液体試料の表面に発生する気泡を高精度で判定する画像処理技術です。血液検査装置では気泡が検査結果に影響を与えることがあるため、本発明により、気泡が検査に影響するかを自動で判定し、検査の精度とスループットを向上させました。 本発明の機能を搭載した免疫分析装置は、提供開始した2017年からこれまで、世界で累計10,000台以上の稼働を達成し、人々のQoL向上に貢献しています。
血液検査装置では、採血管から検査用試験管へ血液を吸引しており、血清表面の微小な気泡等が検査結果や装置の稼働に影響を与える可能性があるため、従来は検査技師が目視で気泡を確認し除去していました。今回発明の技術では、AIによる画像処理で気泡の有無と影響を自動的に判定。深層学習を用いて約100万件のデータから判定規則を生成し、気泡の分布状態を正確に抽出、その分布状態から検査に及ぼすリスクを正確に判断します。さらに、判定根拠を可視化する技術で判定精度を向上させています。この発明により、検査の品質と効率が大幅に向上し、検査技師の負担も軽減されました。
この機能を搭載した免疫分析装置免疫分析装置「cobas e 801」は、特に高い精度と検査効率が要求される血液センターでの使用に対応し、世界各国で活用されています。
日立グループは約50年前から体外診断の自動化への取り組みを始め、今日に至るまで多くの製品を通して迅速かつ正確な診断に貢献してきました。今後も、日立ハイテクは体外診断の領域でのさらなる自動化を通した検査業務効率化をはじめとしたヘルスケア領域全体において、人々のQoL向上に貢献していきます。
(関連動画)
本発明は、2020年に「“超”モノづくり部品大賞」の大賞も受賞しています。